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用語・計測

LTVとは?店舗ビジネスのLTVの計算方法と、広告費の上限を決める手順

LTVから広告費の上限を決める

広告の成果を初回の売上だけで判断すると、「広告費が高すぎる」と感じて、本来続けるべき広告を止めてしまうことがあります。継続利用やリピートが前提の店舗ビジネスでは、お客様1人が長い期間でもたらす価値「LTV」を知ることが、広告費を判断する土台になります。この記事では、LTVの計算方法と、LTVから広告費の上限を決める手順を解説します。

LTVとは「お客様1人が、取引期間全体でもたらす価値」

LTVは「Life Time Value」の略で、顧客生涯価値と訳されます。1人のお客様が、最初の利用からやめるまでの間に、店舗にもたらす売上や利益の合計を表します。

店舗ビジネスでのLTVの基本的な計算方法

LTVの計算方法にはいくつかの考え方がありますが、店舗で使いやすいのは次の式です。

LTV(売上)= 平均客単価 × 平均利用頻度(年あたり)× 平均継続期間(年)

広告費の判断に使う場合は、売上ではなく粗利で考えるのがおすすめです。売上から原価や施術・提供にかかる直接費用を差し引いた粗利から、広告費を払うことになるからです。

粗利ベースのLTV = LTV(売上)× 粗利率

月額制のサービスであれば、「月額料金 × 平均継続月数 × 粗利率」で計算できます。平均継続月数がわからない場合は、まず直近の会員や顧客のデータから、何か月続いているかを集計するところから始めましょう。

LTVから広告費の上限を逆算する手順

LTVがわかると、「新規のお客様1人を獲得するために、いくらまで広告費を使えるか」を決められます。手順は次のとおりです。

  1. 粗利ベースのLTVを計算する
  2. そこから、確保したい利益を差し引き、顧客1人あたりの上限獲得コストを決める
  3. 広告で計測する成果(予約や問い合わせ)から、成約までの割合(来店率・成約率など)を掛けて、成果1件あたりの上限に換算する

計算例(仮の数字)

月額1万円・粗利率60%・平均継続10か月のサービスの場合、粗利ベースのLTVは6万円です。このうち3万円を利益として残したいなら、顧客1人の獲得に使える上限は3万円になります。体験予約からの来店率が80%、来店からの入会率が50%なら、体験予約1件あたりの上限は3万円×0.8×0.5=1万2,000円です。

この「1万2,000円」が、Meta広告マネージャで見る予約1件あたりの単価(CPA)の上限の目安になります。初回の売上だけで見ると高く感じる金額でも、LTVで見れば十分に利益が出る、ということがわかります。

LTVを使うときの注意点

  • 平均値は、開業直後やデータが少ない時期には大きくぶれる。最初は控えめな数字で計算する
  • 広告経由のお客様と、紹介や口コミ経由のお客様では、継続率が違うことがある。できれば分けて見る
  • LTVは「使える上限」であり、広告費をそこまで使うべきという意味ではない。資金繰りや回収期間もあわせて考える

特に回収期間は重要です。LTVで見て黒字でも、広告費を先に払い、利益は何か月もかけて回収することになるため、手元資金に余裕がないと続けられません。何か月で広告費を回収できるかも、あわせて計算しておきましょう。

LTVを集計するときに用意したいデータ

  • お客様ごとの初回利用日と最終利用日(継続期間の計算に使う)
  • 期間内の利用回数と支払金額の合計
  • 商品・メニューごとの原価や直接費用(粗利率の計算に使う)
  • どの経路で来店したか(広告・紹介・検索など)

予約システムやPOSレジのデータを書き出せれば、表計算ソフトで集計できます。最初から完璧を目指さず、まずは直近1年分など、手元にあるデータで計算してみましょう。

店舗で使うときの補足:LTVから予約1件あたりの上限を出す

Meta広告の予算は、競合の金額ではなく、自店の顧客一人が生む粗利から逆算します。最初にそろえる数字は、平均客単価、平均購入・来店回数、粗利率、予約から来店する割合、来店から成約する割合、広告以外に発生する変動費、確保したい利益です。数字が分からない場合は、直近3ヶ月など期間を決めて平均を出します。精密さより、同じ定義で継続して更新できることが重要です。

許容顧客獲得単価 = 顧客粗利 − 広告以外の変動費 − 確保したい利益
許容予約CPA = 許容顧客獲得単価 × 来店率 × 成約率

例として、許容顧客獲得単価が30,000円、来店率80%、成約率50%なら、予約一件あたりの上限は12,000円です(説明用の計算例です。実際には自店の数字を使います)。ここで求める金額は「使ってよい最大額」です。運転資金や回収期間も考慮し、最初から上限いっぱいを使わず、安全な目標額を別に設定します。

平均を出すときは、一部の優良顧客だけを基準にLTVを高く見積もらないよう注意します。予算を増減する前には、計測が正しく予約後の数字まで更新されているか、目標CPA以内でも予約枠や対応人数に余裕があるかを確認し、予算を一度に大きく変えず結果を記録します。LTVは固定値ではないため、価格、継続率、商品構成が変わったら許容CPAも更新します。

よくある質問

Q. 開業したばかりで、LTVのデータがありません。

最初は、想定する継続期間を控えめに置いて計算し、実績がたまったら更新していきましょう。同業他社の一般的な数字を参考にする場合も、自店の実績で必ず見直すことが大切です。

Q. LTVを上げるには、何から取り組めばよいですか?

継続期間、利用頻度、客単価のどれかを伸ばすことになります。店舗では、初回来店後のフォローや次回予約の取り方など、広告の外側の取り組みが大きく影響します。広告だけで判断せず、接客やフォローとあわせて改善しましょう。

Q. LTVは売上と粗利、どちらで計算すべきですか?

広告費の上限を決める目的なら、粗利で計算するのがおすすめです。売上ベースのLTVで上限を決めると、原価や直接費用の分だけ広告費を使いすぎてしまうおそれがあります。

まとめ

LTVは、客単価・利用頻度・継続期間から計算でき、粗利ベースで見ることで広告費の上限を決める根拠になります。LTVから逆算した上限CPAを持っておけば、管理画面の数字を見たときに「続ける」「改善する」「止める」を自分たちで判断できるようになります。まずは自店の平均客単価と継続期間を集計するところから始めてみてください。

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