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用語・計測

ROASとは?計算方法・ROIとの違いと、店舗が目安にすべき「損益分岐ROAS」

ROASとは?損益分岐ROASの出し方

「ROASが300%出ています」と言われても、それが儲かっている状態なのか、すぐに判断できる方は多くありません。ROASは売上と広告費の関係を表す便利な指標ですが、利益を直接表すものではないため、見方を間違えると「売上は伸びているのに手元にお金が残らない」状態になりかねません。この記事では、ROASの基本と、店舗が目安にすべき損益分岐ROASの出し方を解説します。

ROASとは「広告費1円あたり、いくらの売上が生まれたか」

ROASは「Return On Ad Spend」の略で、広告費用対効果を表します。広告経由の売上を広告費で割り、通常はパーセントで表します。

ROAS = 広告経由の売上 ÷ 広告費 × 100(%)

広告費10万円で、広告経由の売上が30万円ならROASは300%です(説明用の仮の数字です)。広告費1円あたり3円の売上が生まれた、という意味になります。

Meta広告の「購入ROAS」はどう計算されているか

Meta広告マネージャには「購入ROAS(広告費用対効果)」という指標があります。Metaのヘルプセンターでは、広告に紐づいた購入のコンバージョン値の合計を、消化金額で割ったものと説明されています。つまり、Metaが自動で出すROASは「Metaが計測できた購入」と「その購入に送られた金額」がもとになっています。

  • MetaピクセルやコンバージョンAPIで、購入イベントと金額(value)が送られていないと、ROASは正しく表示されない
  • 店頭での支払い、電話予約後の来店など、Metaに送られていない売上は含まれない
  • アトリビューション設定(例:クリック後7日間など)によって、どこまでを広告の成果として数えるかが変わる

予約制の店舗や、来店後に店頭で支払う業態では、管理画面のROASだけでは実態をつかめないことが多くあります。その場合は、予約台帳やレジの売上と広告費を突き合わせて、自店でROASを計算するのが確実です。

ROASとROIの違い

よく混同される指標にROIがあります。ROIは「Return On Investment(投資利益率)」の略で、売上ではなく利益を使って計算します。

ROI =(利益 − 投資額)÷ 投資額 × 100(%)

ROASは「売上の効率」、ROIは「利益の効率」です。原価や人件費がかかる店舗ビジネスでは、ROASが高くても利益が残らないことがあります。広告の評価には、最終的に利益で判断する視点が欠かせません。

店舗が目安にしたい「損益分岐ROAS」の出し方

ROASが何%を超えれば黒字になるのかは、粗利率で決まります。広告費と、広告で生まれた売上の粗利がちょうど同じになるラインが、損益分岐ROASです。

損益分岐ROAS = 1 ÷ 粗利率 × 100(%)

粗利率が50%なら損益分岐ROASは200%、粗利率が25%なら400%です。このラインを下回ると、広告経由の売上の粗利よりも広告費のほうが大きくなります。ここに確保したい利益を上乗せしたものが、目標ROASの目安になります。

さらに店舗ビジネスでは、初回の売上だけでなく、継続利用やリピートによる売上(LTV)も考える必要があります。初回だけで見ると損益分岐を下回っていても、LTVで見れば十分に利益が出ているケースもあります。逆に、初回のROASが高くても継続しないお客様ばかりなら、長期的には利益が残りません。

店舗で自分たちのROASを計算する手順

  1. 集計する期間を決める(例:月単位)
  2. その期間のMeta広告の消化金額を広告マネージャで確認する
  3. 予約台帳や問診票、会員登録時のアンケートなどから「広告を見て来店した」お客様を集計する
  4. そのお客様の売上(必要に応じて継続分も)を合計し、広告費で割る

「何を見て来店したか」を受付時に聞くだけでも、管理画面では見えない広告の効果が見えてきます。集計方法を毎月そろえておくことで、ROASの推移を正しく比較できます。

店舗で使うときの補足:回収時期と継続価値を一緒に見る

店舗広告のROASは、広告経由の売上と回収時期を一貫した条件で測ることが大切です。「売上、粗利、広告費、回収期間」をそろえて確認し、初回来店時の売上だけで継続価値を無視しないようにします。初回の売上だけで判断すると、継続利用の多いメニューの広告を早く止めすぎることがあります。

Meta広告の管理画面で売上を計測していない店舗では、予約台帳やPOSの売上を広告経由かどうかで分けて記録し、同じ期間の広告費と並べて計算します。

よくある質問

Q. ROASは何%あれば良いのですか?

一律の正解はありません。粗利率から計算した損益分岐ROASを上回っているかが最初の基準です。そのうえで、確保したい利益と、リピートを含めたLTVを踏まえて目標を決めます。

Q. 予約制の店舗でもROASは使えますか?

使えます。ただし、来店後に店頭で支払う売上はMetaに自動で送られないため、予約台帳やレジの売上から「広告経由の売上」を集計し、広告費で割って自店で計算するのが確実です。

Q. ROASとCPAはどちらを見ればよいですか?

客単価が一定で、成果の件数を重視するならCPA、商品やメニューによって単価が大きく違うならROASが向いています。どちらも、最終的には利益とつなげて判断することが大切です。

まとめ:ROASは「粗利率」と「LTV」とセットで見る

ROASは広告経由の売上÷広告費で計算でき、広告の売上効率を一目で比較できる指標です。ただし、利益を直接表すものではないため、自店の粗利率から損益分岐ROASを出し、さらにLTVを踏まえて評価することが大切です。Metaが表示するROASは計測できた範囲の数字であることを理解したうえで、店舗の実際の売上データと照らし合わせて判断していきましょう。

参考(Meta公式)
※記事の内容は公開日時点の情報です。Meta広告の仕様や管理画面の表記は変更されることがあります。
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